第46回目となる今回は、第1回マンガ大賞を受賞した『岳 -みんなの山-』の作者、石塚真一先生が描く『BLUE GIANT』の主人公、宮本大(みやもとだい)から学んでいきたいと思います。
ジャズに心打たれた高校3年生の宮本大は、川原でサックスを独り吹き続けている。
雨の日も猛暑の日も毎日毎晩、何年も。
「世界一のジャズプレーヤーになる…!」
努力、才能、信念、環境、運…何が必要なのか。
無謀とも言える目標に、真摯に正面から向かい合う物語は仙台、広瀬川から始まる。
主人公の宮本大は、物語の冒頭においては特にジャスに詳しいわけでもありません。
知識は乏しく、テクニックは我流なので、彼の成長とともにゆっくりとジャズの世界を体験する事が出来るのも、この作品の面白さのひとつ。
今回はそんなアツいオトコ、宮本大から男前ポイントを学んでいきましょう!
オレ、ジャズが好きなんだ…
○オトコマエポイント
中学の卒業記念に聴きに行ったジャズの生演奏に心を打たれて以来、一流のテナーサックスプレーヤーになるべく、研鑽を重ねています。
それまではバスケ一筋の普通の学生で、楽譜は読めず、ジャズの何もかもを知らない、いわば感性のみで生きているような青年。
大はとにかく一生懸命で、音楽以外のことに関しては疎く、時として「痛い奴かも」と思わせる傍若無人ぶり見せますが、その熱は確実に周囲の人間を引き込んでいきます。
周囲に笑われても自分のやりたいことを貫ける、まさに男前の精神ですね!
いつでも、世界一だと思って吹いてる
○オトコマエポイント
宮本大のバンド「JASS(ジャス)」のピアニスト沢辺雪祈が自分の評価について悩んでいた時、大が放った一言。
自分がヘタだとなんだと言われようが、サックスを吹いている時はいつでも自分が世界一のプレイヤーだと信じて吹いている、と告げました。
そんなことで悩んでいる暇があったらとっとと練習しろ、悩んでる暇なんかねぇんだよという大の言葉は、雪祈にとって目がさめるような一言。
いつだって全力で前に進む大にとって、自分の評価に悩む必要はありません。
今がダメなら明日こそ最高になる。そんな無敵のポジティブさが宮本大を男前たらしめています。
ハー……へでもねぇや。
○オトコマエポイント
大は常連になった楽器屋の紹介で、ライブに参加することに。
勝負に出る大、できることを全部出して吹かないと…と思い力が入ります。
演奏が始まり、なんとか周りに合わせて演奏しますが、ソロになり「全部出す」という思いで大きな音を出した大は、客のおっさんに「うるさいんだよ君は!!」と怒鳴られてしまう。
演奏はそれで終わり、しょげて帰ってきてしまった大。
しかし次の瞬間には「へでもねえや」と強がります。
悔しさを振り払い炎天下の河原で練習中に、犬にサックスのケースにションベンひっかけられます。
その飼い主のおじさんに「僕好きだな、君の音。」と言われ、俄然元気に。
単純と言ってしまえばそれまでですが、どんな辛いことがあっても何度でも大は立ち上がります。
「行動しなければ結果はついてこない」。
なれたらいいな、ではなくて「オレはなる」という固い決意があるから大は強いのです。
熱い日も寒い日も、雨の日であっても練習できるその精神力は、人並みはずれています。そんな芯の強さが一番の男前ポイントです!
まとめ
「BLUE GIANT」は主人公の周りの人間関係もしっかりと描かれており、胸を熱くするシーンがたくさんあります。
兄ちゃんが主人公のために、新入社員でお金が無いにもかかわらず楽器屋で一番いいものを選ぶ男前ぶり。かっこよすぎ…。
とにかく大は自分に自信があります。
ただそれは無根拠に湧いてきているものではなくて、自分で自分に発破をかけて自ら作り上げているモノ。
「とにかくオレはできるんだ、やれるんだ」と信じ抜いて、その信念を突き進めていきます。
そんな大の姿をみて、周囲も段々熱を帯びていく。
そんな皆を惹きつける男前になってみたいですね。