第44回目となる今回は、『週刊少年サンデー』で連載していた、御伽噺を題材とした作品
『月光条例』の主人公、岩崎 月光(いわさき げっこう)から学んでいきたいと思います。
【漫画のあらすじ】
何十年かに一度、真っ青な月の光によって「御伽噺(おとぎばなし)」の世界がおかしくなってしまう。そんな異常な事態になってしまった世界を正すために、「月光条例」の使者・鉢かづき姫は<<読み手>>の世界に助けを求めにやってきた。
そこで不良高校生・岩崎月光と出会い、おかしくなってしまった「おとぎばなし」を正す戦いを始める…。粗暴で口も悪いが、正義感が強く真っ直ぐな行動力と持ち前のタイミングの良さで、数々のおとぎばなしの住人達と死闘を繰り広げます。
そんなひねくれ者で頑固だけどどこか憎めない主人公、岩崎 月光から男前を学びたいと思います!
「バカにまかせとけ…」
○オトコマエポイント
この世界から「おとぎばなし」が消えてしまう危機に瀕し、月光が集まったおとぎばなしの住人達に「おとぎばなし」消失事件の真相を説明。その信じられない話に住人達は嘲笑し、嘘っぱちだと決めつけてしまいます。
それがもし本当だとして、誰がそんな奴らと戦うのだと月光に問いかけると、「アンタたちは戦わなくていいんだよ。」と返答し、月光自らが戦うと宣言。
愚か者、阿呆と罵られるも覚悟を決めている月光が「バカに任せとけ」と言い放ちます。
どれだけ周りから非難されたとしても、非難してきた人たちに嫉妬し仕返しすることなく、そんな人達を含めた全員のために行動する意思は並大抵のものではありません。月光のように
誰に対しても分け隔てなく人のために行動できる人こそ"オトコマエ"ではないでしょうか。
「男は自分のモノサシを杖にして、泣きながら強くなってかなきゃなんねぇんだよ!!」
○オトコマエポイント
「フランダースの犬」のおとぎばなしの中、貧乏で、コンクールに落選し。盗人の濡れ衣を被せられてと惨々たる人生を歩んできたネロと出会います。
ネロがそんな自分に絶望し、自らの人生を「最低」だと月光に話しますが、月光はそんなネロに対してそれらは全て「他人のモノサシ」だと諭します。
大事なのは「自分のモノサシ」。
自分自身さえ最低だと思わなければなんてことはない。だから自分だけは最低だと思わずに、その気持ちを支えに強くならないといけないと説教するのです。
しかしどんな状況に遭ってしまってもそんな人生を「最低」だとは思わずに、我慢し、
これくらい平気だというモノサシを自身で持つことで、男らしい強さを手に入れられるのかもしれません。
「どっちが正しいかわかんねえ時は、負け犬の方につくってな。」
○オトコマエポイント
一寸法師編で、叩くという本能のままに膨れた次郎丸の持つ金棒と対峙する一寸法師と月光。大切な人を操ってヒドイ目に合わせたヤツに落とし前をつけようとする一寸法師だが、力及ばず。
そんな中、月光が一寸法師に手を貸すことにしますが、ひねくれものの月光らしい一言がこのセリフとなっています。
素直に助けられない月光ですが、この言葉自体は実にごもっともな言葉ではないでしょうか。両者どちらにも言い分があるような場合、
勝つ側ではなく劣勢な側につこうという心意気は"オトコマエ"です。
月光のように、どちらにつくか迷った時にはこんな決断の仕方ができればかっこいいですね!
まとめ
月光は、自分でも嫌になるくらいのへそ曲がりな主人公です。
ですが、そんな性格ゆえに不遇な人物や恵まれない者といった弱い立場の人物に対しては優しく、手を貸してくれます。
そのためには自己犠牲も厭わない姿は非常に男らしく、まわりを惹きつけます。
月光の活躍をみると、
自分は誰のために戦うべきなのか(行動するべきなのか)、考えさせられます。