世界一の朝食「ビルズ」、表参道のチョコレートバー「マックスブレナー」。
どちらも大行列を作る人気店、それを日本に持ち込んだのが"TRANSIT GENERAL OFFICE(トランジットジェネラルオフィス)"代表の中村貞裕さんです。
今回はそんな手がけるスポット全てをブームに仕立てている中村さんから「流行の作り方」を学びたいと思います!
流行の最大公約数を知る
中村さんが最も大切にしているのが、情報をインプットする時間。
流行の映画、音楽、レストラン、アートなどのトレンド事情について知っている必要がある中村さんの情報収集ツールは主に雑誌だそうです。
「多くの人にとって、立ち読みは暇つぶしの時間だと思います。でも僕にとって立ち読みする時間は本気そのもの。」
中村さんはいつも、打ち合わせの約束の時間の1時間前にでかけて、ありとあらゆるジャンルの雑誌を50誌くらい読み漁ります。
そうすることによって、「流行の最大公約数」を見極めているのです。
仮に、一誌を熟読して「○○がブーム!」と書かれていたとしても、その雑誌がプッシュしたいだけの情報かもしれません。
しかし、同じ情報が複数の雑誌に載っていたらその信憑性はかなり高まります。
自分が見た情報源の最大公約数からブームを知っておくというのが大切なのです。
流行は作るものではなく、見つけるもの
「実は僕自身にトレンドを作っているという意識はあんまりなくて。むしろ、流行りそうなものを見つけて大きくしていると言ったほうが近いかもしれない。」
今の世の中、「0を1にする」ということは、ものすごく難しい。
よっぽどのスペシャリストでもない限りそんなことできませんし、意気込むとものすごいストレスで前に進めなくなってしまいます。
「でも1を見つけるのは、僕にとってはすごく簡単なことで。だから「1を見つけて、それを10にする」という発想でやるようにしているんです。」
海外では当たり前になっていることでも、日本に持ってきて流行らせたら「トレンドを生み出した」ことになります。
中村さんは、あくまで東京で流行る「1」を探す旅をしているだけ。
そして自分の中でイケる!と思える「1」を見つけたら、あとはそれをいかに大きくしていくかだと言います。
ローカライズするときは自分の陣地で
「目利き」が上手くいっても、いかに人脈、土地勘を使って、自分の基盤となる陣地で起こすかで、ビジネスの成功失敗は大きく左右されます。
中村さんが東京で施設をプロデュースしていることが多いのは、自分がそこに住んでいて、成功に導けるノウハウを持ったビジネスパートナーとなる人を知っているから。
そうしたツテが少ない大阪でビジネスを立ち上げるのは、見知らぬ海外でやるのと同じくらい難しいことだそうです。
それくらい自分の陣地でプロデュースをするということが大事ということですね。
中村さんがプロデュースをした中で、パンケーキブームの先駆けと言われる「ビルズ」
取材を受けたとき、中村さんは他店のパンケーキの話もよくしていたそうです。
それにより、「パンケーキが今流行っている」という空気感を作り出しました。
常に流行を探ることが、流行を創りだすことにつながっていきます。
「1番手じゃなくても、ブームのトップに立つことが出来る」まだまだビジネスチャンスはいくらでも存在し、それは自分が気づいていないだけですぐ近くにあるのかもしれません。
皆さんも、ふとしたキッカケで流行の立役者になれるかもしれませんね。