第33回目となる今回は、『ビッグコミックスピリッツ』で連載された作品
『鉄コン筋クリート』の主人公の1人、クロから学んでいきたいと思います。
【漫画のあらすじ】
義理人情とヤクザが蔓延る町・宝街でホームレス同然の暮らしをしている<ネコ>と呼ばれる二人に少年クロとシロ。
ある日、開発という名の地上げやヤクザ、3人組の殺し屋、蛇という名の男性が現れ、実態不明の“子供の城”建設プロジェクトが立ち上げられる事になり、町は不穏な空気に包まれる。
荒れる宝町に巻き込まれる二人は引き離され、次第に互いの精神バランスを崩していく。
シロを守るためなら手段を選ばない強さを持つ主人公、クロから"オトコマエ"を学びたいと思います!
「俺達は誰にもシッポふらないよ。」
○オトコマエポイント
<ネコ>と呼ばれるクロとシロは、その名のとおり"自由"を愛しています。
それはつまりだれにも媚びることなく、やりたいようにやることを信条としているということです。
クロはどんなピンチの場面や、媚びることでチャンスがあろう場面でも、このスタンスがぶれることはありません。
自由に生きるためには、かなりの精神力と腕っぷしの強さが求められるでしょう。特に彼らが住む宝町では。
"オトコマエ"になるためには、クロのように自分が決めた信条に背くのであればシッポを振らず、自身の力で切り抜ける強さが必要なのかもしれません。
「闇の中にこそ真実がある。愛や平和を連呼する奴の目は腐っている。」
○オトコマエポイント
クロはシロと離れてしまうことで、どんどんと「闇」に飲み込まれてしまいます。
その中でクロは『闇に嘘はない』という真理を知ります。愛だの平和だの叫んでいるのは嘘偽りだらけの世界。
そういった言葉を叫んでいる人たちは「闇」を見ていないか、見て見ぬふりをしているのです。
物事には本質が必ずあります。上辺だけを見ていても真実にたどり着くことはできません。
クロはシロと離れ離れになり精神状態が不安定になってしまったことで、この真理にたどり着きました。
上辺だけに囚われず、表も裏も全て理解できる目と心を持つ者こそ"オトコマエ"ではないでしょうか。
「理由はなんにしろ、シロを傷付ける奴は許さない。」
○オトコマエポイント
クロは「シロを傷つける奴」と「宝町で好き勝手する奴」を決して許しません。それにどんな理由があってもです。
一種の意地のようなものなのですが、そういったこだわりのある人間にこそ太い芯が備わっているのです。
生きていく上で、道理や当たり前だけでは通用しない場合が多々あります。
どれだけ非難されようとも、譲れないものがあるというのはひとつの武器です。度を越してしまっては元も子もないですが、根拠がなくとも気迫で押し通すぐらいの気概で自分の意見を通そうとする精神力は"オトコマエ"にとって大切なものかもしれません。
まとめ
クロはシロがいなければ、シロはクロいなければ生きていけない。
そんな不安定なバランスの二人だからこそ持っている"強さ"があります。足りない部分を補える存在がいるからこその強さです。
自分は何を持っていて何が足りないのか、そんな自身の表裏をしっかりと把握している男こそ"オトコマエ"なのでしょう。